PHILOSOPHY住まいの哲学
住空間の設計について
空間のプロポーションを大切に
同じ広さの空間でもただの長方形(立方体)では、いざ住んでみるとしっくりこない事が多いと思います。
同じ条件で2つの空間を並べて比較すれば、よく分かっていただけると思うのですが、なかなか気づけないことなのです。
これが空間づくりの難しいところで、CGシミュレーションなどでも分からないものです。
でも「なんだか居心地いいなぁ」と感じた空間を思い出してみてください。
おそらく、単調な四角い空間ではないはずです。天井高さ、床の高さが違っていたり、凸凹した窪みがあったり。そうすることでその空間に居心地が生まれます。
真っ直ぐに流れる人工的な川よりも蛇行して流れる川の窪みに生き物達は多く生息するそうです。そんな、空間のプロポーションを意識してつくられた主空間には自然と家族が集まってきます。
ある意味では、蛇行する川や光と影のある森の中、凸凹と高低差のある地面などの自然界に似て、それぞれの居場所が見出せる空間ができていくからだと考えます。
古代の身体感覚を忘れない。
例えば、ダイニングは吹抜けにしない
住まい設計工房では、おおらかな空間をご提案することが多く、吹き抜けの実例も多くあります。
しかし、ダイニングには天井をつくることが多いです。
人のDNAには古代に洞窟で身を寄せ合って暮らしていた時の記憶が刻まれているようで、安心する食卓には天井が必要です。
脳は気持ちよく騙す
脳はエネルギーの大食漢です。その昔まだ食料が豊かでなかった時代、あまり、脳を動かすと無駄にカロリーを消化するおそれがあったので、脳を過度に働かせることを控える必要があったそうです。
その時代からの流れで今でも脳は少し情報処理を省略する傾向があるようです。
その傾向を逆手に取る空間づくり。
例えば、部屋の隅にその終わりを見せないようにすると、脳が空間を補い、奥にまで続いていると感じたり、壁を斜めに傾けて奥側の仕上げを濃い色にしたりすると、実際より奥行きあるように思えたりします。
広い空間をつくっても実際使っている箇所は限られます。視野の広がりがあれば、脳は窮屈感を感じることはないようです。
京都の桂離宮などに行くと、そうした「脳を騙す」仕掛けが施されていて、結果としてとても快適な空間が実現していることが体感できると思います。
階段は唯一、垂直移動する機能
住まい設計工房では、階段の設計を大切にしています。
階段は住宅の機能の中で垂直移動を担う特殊なものです。
美しくつくれば、インテリアにもなりますし、ベンチの代わりにもなります。
階段の移動中に景色が変わるような設計も面白いですね。
階段下収納にしてしまうだけではなく、もっと自由に階段を楽しむだけで空間はとても良くなると思います。
収納考
「この設計は15%の収納率ですから、大丈夫です」なんてセリフ聞いたことないですか?
もちろん、総面積は大切ですが、欲しい所に使いやすい収納があることが大切です。
リビングの小物を入れるのに、奥行き80センチの収納はナンセンス。
奥のものが取り出しにくいだけとなり、リビング収納は浅いほうが使い勝手が良い場合が多いです。
その他にも高さ、扉の種類、可動棚などにより、収納の使いやすさは変わります。
住まい設計工房では必ず、今の暮らしの収納部をすべて採寸させていただき次の設計に活かしています。
可変していく余地をのこす
今のその瞬間のベストがその後もずっとベストということはありません。
住む器もその瞬間に合わせてぎりぎりの設計するのではなく、少しおおらかな空間にしておくことが大切です。
スケルトン・インフィルという考え方で、基本駆体を堅固につくり内はライフステージに合わせて可変させていくのが(建て替えではなく、リフォームで住み継ぐ)サスティナブルな考え方と言えるかも知れません。
北の窓の安定した光
北の光はとても安定していて良い光であることご存知ですか?
画家のアトリエは安定した光を求め、北に配置するのがセオリー。
以前フェルメールの「窓辺で手紙を読む女」のような部屋が良いとご要望をいただいたことがあります。
北面に高窓を配置し、とても良いお部屋に。
才能をおしまれつつ他界された画家の澤野慎平氏の最後のアトリエも設計、施工させて頂きましたが、北の安定した光の入る落ち着いた空間に。
光と陽は分けて考える方がよく、北の窓に陽だまりはありませんが、安定した光が入ります。
大切なポイントは、お隣さんと約10mは離れていないと一階に冬の太陽の光は届かないということ。
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- 開放的な大空間リビング
- 耐震構法SE構法ならではの大スパンの広々空間が得意です。大きな窓のメリットを最大限に引き出せる2階リビングの実績も多数。
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- 光の差し込む吹き抜け
- 木造住宅とは思えない圧巻の吹き抜けLDKも人気です。空間を縦に広げることで、家全体が明るいのが魅力です。
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- 中庭のある家
- 家の中にいてもプライバシーを守りつつ自然を楽しめる中庭が注目されています。和風の住宅では箱庭風の侘び寂びも楽しめます。
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- 階段が美しい家
- 壁に囲まれた階段はデッドスペースになりがち。光や風を通して空間を広く感じさせるスケルトン階段がおすすめです。
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- 京都らしい家
- 古き良き京町家から学んだ知恵と美学で、茶室などの和空間も現代風にアレンジ。伝統と暮らしやすさを兼ね備えています。
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- 個性的な提案
- 高級ホテルを思わせる組子格子や、美術館建築の手法を取り入れた設計など、住宅の常識を超える発想で個性的な提案をします。
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- 自然に溶け込む家
- 周辺の自然に調和する外観デザインも住まい設計工房らしさのひとつ。経年変化を楽しめる外壁の素材選びがポイントです。
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- ディティールにこだわった家
- 屋内と屋外の天井材を統一して空間につながりを生み出すなど、住まいの家には宝探しのような仕掛けがたくさん。