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PHILOSOPHY住まいの哲学

住宅建築における土地

住宅建築における土地

土地探しこそ建築のプロとする

弊社にも良く頂く依頼の一つが「良い土地を購入したから設計して欲しい」というもの。ありがたいのですが、土地探しからご一緒できればもっとお役に立てます。
新築で注文住宅を建てる場合、良い土地が欲しくなるのは当然です。
ただ、その土地で心地よく暮らすことが最終目的なので、建築費用とのバランス非常に大切です。便利でよい形の土地を購入したが、建築費用が足りず、どうもしっくりこない住宅に住むというのは、本末転倒。少し、お買い得感のある変形地や狭小地でも建築がカバーできることは沢山あります。
土地探しは建築のプロと二人三脚でしていただくのが良いと信じています。
そして、京都ならではとも言える難しい法的規制でご希望の間取りが難しいことも多々あります。
住まい設計工房は「候補地が見つかりました」と連絡いただくと出来るだけ早い段階で候補地に駆けつけます。
その候補地の特徴を読み込み、法的チェックをして、設計のタタキ案を作成し、概算までをご提示。
購入しようとしている候補地で、どんな設計が出来て、いくらで建築できるのかが事前に相場観を掴むことができ、安心して土地をご購入できて、良い家づくりへ進めるのではないでしょうか。

土地の決済が終わってから本格的な設計に入りますが、はじめに大まかな予想を立てているので大きくブレることはなく、納得を重ねながら詳細設計を詰めていただけます。


隣の土地の近づき方と離し方

京都に多い狭小間口を考えると民法の「隣と50cm離しましょう」はナンセンス。
私どもは、隣との近さを15cmで施工する技術を持っています。
京都で50cmずつ離すと1メーターの間隔になります。
間口の限られた土地環境で、それはもったいなさ過ぎる。
民法でも「慣習が優先する」と明記されています。
もしお隣さんや裏に少し余裕がある場合は、50cm~80cmほど建築を離す場合がある。
でも、思い切ってもう少し離す方が良い時もあります。
少し距離をとって、デッキやお庭を作ったり木を植えたり、外部物置などを考えたりも、限られた環境を活かしきる。土地は隅々まで有効に活用したいもの。
「小さく建てて、豊かに暮らす」そう考えると良い設計になることが多いのです。

環境を読み解けば建築地がプランを導いてくれる

設計する際、なにはなくとも現地の下見です。最近は情報技術の発展で現地にいかなくてもその計画地が大体分かるようになってはいますが、住まい設計工房ではご依頼があった一週間以内には現地に駆けつけます。
下見は一回ではなく、数回繰り返します。晴れの日、雨の日、時間をかえて、風の向き(できれば夏の風向き傾向を掴むこと)は、ご近隣のご様子、理想的な窓の位置、匂いは、太陽を遮るものはないか、どこか借景となる良い景色はないか、視線が気持ちよく抜ける余地はないか、五感をフルに開放して感じることを大切にしています。
環境を読み解くと建築地自体がプランを導いてくれるのです。建築地のポテンシャルを活かし切って心地よく住ませて頂く、そんな暮らしを実現したいものです。
公園や河原に行ってランチのためにゴザなどを敷こうとすると、どこに日陰があるか、風通し、良い眺めはどの方向になるかな、など良いコンディションを探しますよね。
家づくりの基本も同じです。環境から切り離して、住宅の設計時に家の間取りだけを考えるのはナンセンス。その土地の持つ可能性を見極めることがとても大切です。

建築に向いているオススメの土地とは

よく「おすすめの土地ありますか?」と質問をいただくことがありますが、その土地の個性、特徴は分析できますが、良し悪しはないと考えています。
敷地条件、周辺環境を鑑みて建築として何ができるか、どうすれば、最高に心地よく過ごしていただけるか、それを考えてご提示させて頂きますので、心を決めるのはその時で良いと思います。私達の生業は、土地の可能性を見極めることです。
そして、お施主様と土地との出会いは運命だと思うことがあります。
あまりロジカルに考えすぎるの良くないかもしれず、どこか人生の伴侶との出会いに似ているのではないかと思っています。
あまり頭で条件ばかりを追っていっても、、、。
最後はご自身の感性を信じてみてください。逆に言えば、ロジカルな部分、土地取得にかかる諸経費、法的なチェック、風と光の観察、インフラの状態、建築はどのようになるか等のアドバイスはこちら側にお任せください。

木がある所に人は集まっていく

公園をイメージして下さい。子供も大人もくつろいだり遊んだりして活気がある公園は植樹が豊であることに気づきます。私たちも敷地のどこかに木を植えましょう。
お庭に木を植えると少し風がやさしくなります。
地球環境にも微力ではありますが、やさしい効果であるように思います。