黒いタイルの家 京都市中京区
担当:蘇理裕司
■建築データ
- 建築面積
- 51.95m²(15.71坪)
- 延床面積
- 94.07m²(28.46坪)
- 階数
- 地上2階
- 構造
- 在来工法
- 竣工
- 2021年
施工ポイント
近年需要が高まっている京町家のリノベーション。
古い建物の価値を引き出しつつ、新しい暮らし方を提案するリノベーションは、新築とはまたひと味違った魅力があります。
町家の改装で最も大切なのは「何を残して何を変えるか」です。こちらのお宅は外観のシックな黒タイルを残しつつ、全体としてはモダンな装いで町並みに馴染むデザインとなりました。
印象的なのは人気の土間スタイルを採用した土間キッチン。京町家における土間は「通り庭」とも呼ばれ、家の中と外の境界線が重なり合うユニークな空間です。
インパクトのある古木の梁をあらわしとして露出させることで、町家らしいアクセントにしつつ、しっかりと天井高も確保できます。また、以前に増築されていた部分を大胆に減築し、庭を復活させ、風の通り道を確保することで、京町家の陰暗な雰囲気を解消し、現代的で開放感のある住居となりました。
町家リノベーションの要である「耐震性」を考慮して、柱や梁は極力省かず、それでいて狭さや圧迫感を感じさせない風通しの良い空間づくりがポイントです。