第4回

一流をみる「司馬遼太郎記念館」他

司馬遼太郎の知識が可視化された大書架、安藤忠生設計の「司馬遼太郎記念館」。そして同じく安藤建築の「こども本の森 中之島」、世界的にも珍しい完全地下型の美術館「国立国際美術館」を巡る大阪建築勉強会。

MEMO [1]

「司馬遼太郎記念館」

住宅街の一画。司馬遼太郎の自宅の隣地に安藤忠雄設計の記念館があります。

門から記念館へは雑木庭の小径を進む。その途中、窓越しに、自宅の書斎を除き見ることができます。生前のままで、そこに司馬遼太郎の気配を感じます。

記念館はコンクリート打ちっぱなしの地下1階、地上2階。ゆるやかな曲線を描いたバームクーヘン型です。切り口側から入口へむかうアプローチは弧のアーチに沿って少しづつ視界がひらけてきます。

そして、内部に入ると、その壁沿いに地下からの3層吹き抜けの大書架です。

その広がり、約2万冊の蔵書は圧倒的な知識の可視化であり、司馬遼太郎の頭の中を覗いている感覚にさせられました。

ステンドグラスからの光が、司馬遼太郎の人への優しい眼差しを表しているかのようでした。

MEMO [2]

①地下に埋め、地上部分を抑える

「国立国際美術館」

こちらの建物も地上部分を抑えています。展示スペースは完全に地中です。

ステンレス骨組みとガラスで出来たエントランスゲートのみが地上にあり、周りは広場として開かれています。

そんなガラスからの光は、エスカレーターホールの吹抜を通して地下へと明るさを届けています。

設計は「あべのハルカス」シーザー・ペリ。

(2024年2月5日まで工事休館中)

MEMO [3]

②壁面本棚

「中之島こども図書館」

こちらも3層で吹抜があり、基本的に壁面全体が本棚です。

しかし、「司馬遼太郎記念館」のコンセプトが「感じる」「考える」で、こちらは回遊しながら「探し」いたるところで「読む」ように設計されている。

中心に大階段があり、渡り廊下が架けられ、スリット窓などで十分な明るさが確保されています。本との距離が近い。

本棚の中のベンチや階段下のスペースなど、こどもに大人気でした。

蘇理さんオススメの「ピカソとその時代展」豪華でしたね。
同時代に活躍したクレー、マティス、ジャコメッティも盛りだくさんで。

ピカソが、時代や仲間から良い影響を受けたのがわかりました。

建築設計も、まるっきりオリジナルというものはそうそう無い。模倣からでも良いものができてくれば良いと思っている。
住まいの家は、設計者のエゴでなく、施主の生活に寄り添う家を目指しているのだから、その希望に添えるように、良いものをたくさん見て引き出しを多くしておく必要があるよね。

本棚

Presented by 蘇理裕司

今回、本棚が印象的な建築をみた。
弊社の施工でも多くの家で本棚を造作でつくっている。
どんな棚があったか、どんな棚をつくるのか話し合ってみよう。

造作家具のメリット、デメリット
メリット
 ・耐震性がある
 ・機能的に空間を使える
 ・デザインを自由にできる
デメリット
 ・位置移動が困難
 ・制作に時間がかかる
場合による
 ・コスト
形式
大きく分類するに、扉があるか、ないか。
殆どの場合、棚までは、大工の仕事です。そして、扉は建具屋の仕事。
その他、可動棚にするかどうか。棚自体を可動にするか。
形を方形にするか、それ以外にするか。など。。。

建築中に大工さんへお願いする扉のなしの棚は、コスパが抜群です。
木材
無垢材は高価で反りなど発生するので、棚板には集成材や合板がおすすめです。
集成材は安価で強度が高いです。重いので可動棚板の場合は長さに注意が必要。
合板は安価で軽く強度も十分ですが、傷が修復しにくい。

樹種
 ・ナラやゴム:硬い、リーズナブル、塗装でどのテイストにも合う
 ・パイン:軽い、安価、明るい
 ・タモ:硬い、少し高価
 ・スギ:軽い、傷がつきやすい
サイズ
何を入れるのか。
強度や耐水、デザインにも関わってくるので、決まっていることに越したことはないですが、本棚に一輪の花を飾ったり、レコードを収納したり、キャットタワーを兼ねさせたり、多様です。

今回は、本のサイズを把握してみよう。
 ・A6判(文庫) H148mm×W105mm
 ・新書判 H182mm×W103mm
 ・B6判 H182mm×W128mm
 ・A5判 H210mm×W148mm
 ・B5判(雑誌) H257mm×W182mm
 ・A4判 H297mm×W210mm
 ・B4判(大型画集) H364mm×W257mm
設置位置やデザインなど
THE 本棚といえば、リビングの1面が床から天井まで本棚。(例、「宇治の家」近日撮影予定)
とはいえ、設置場所は様々。廊下の壁や、階段上の腰壁を兼ねて、ニッチ棚にする場合も。
「こども図書館」のように低い天井や狭い空間に設置すると籠もって読書に集中できます。(例、「森の家」)本棚の間にドアやソファーを設置するデザインも素敵です。

結論

自由自在の造作棚は注文住宅にオススメ